ろう塾ラジオ企画

「若手ろう者よ!波に乗れ!今ろう界がアツい!」

10月4日(火)


報告

直前の申込だったにもかかわわず視聴人数は107人!

 「ろう者の手話通訳事情」の報告です

江副 悟史 さんをゲストにお呼びし、ろう塾学生スタッフの 西脇 将伍 さんが登壇しました。進行方向は質疑応答形式、司会からの質問、参加者からの質問に江副さんが答える形で進めました。

司会からの質問

1江副さんのプロフィールにあったDNNの活動は今されているのですか?
江副:プロフィールにあるとおり休止中ということになっている。必要性が大きくなればまた復帰する。東日本大震災をきっかけに2011年からスタートし、2013年まで続けた。開設以前からフランスのWEBサウンドなど各国でインターネットニュースがあり日本でもやってはどうか、という声がありました。

2 現在の活動を教えてください
江副:日本ろう者劇団代表を2016年から担当している。前任から推薦され、若いろう者が活動しやすい道を作りたいと思い代表になることを決めた。私が代表になった年は手話狂言が何年か公演されほとんどの人が一度は観た人がほとんどで、人気が落ち着いてた時だった。そのため手話狂言を本当の意味で理解しているかの確認を兼ねた講演を全国各地で行い、手話狂言の内容や魅力について解説し、改めて各地から公演の依頼が増えました。

3手話狂言はここ2・3年聴者の団体から依頼された公演が増えているが、何か理由があるのか
江副:東京オリンピックの開催が決定したのが2017年の2020年の開催までにいろんな理解啓発が進んだ。オリパラでさまざまなところでバリアフリー化が注目それに乗じて手話狂言を広めた。3つの柱(スポーツ・文化・教育)が必要考えていたらその通りで、依頼が増えた。軌道に乗ったのは良いがオリンピックが終わってしまったので、終わった今どう動くかがカギとなる。

・・・この間江副さんから他の活動(NHKや手話弁士などの)説明がありました

【申込時にあった事前質問】

1 ろう者としてのアイデンティティを持っている若者は、何%いますか。 
江副:国内のろう・難聴者・中途失調者合わせて100万人。日本手話で言うと5万人 5%になる。ただアイデンティティをしっかり持っている人もいれば日本手話を使っていてアイデンティティーを考えたことがない人もいる。日本手話ができるのが5%ろう者のアイデンティティを持っているとなると(聴覚障害の中では)1%になるかなと思う。

2 日本手話を守るためにお二人がやっていることは
西脇:私の場合はろう塾の活動がありますが、元々ろう塾で活動しようと思ったのが大学に入ってからになります。大学入学時に日本手話を知らない・わからない学生が多くいることがわかり、どうすれば良いか悩んでいた時ろう塾代表の吉田さんに出会ったのがきっかけです。
江副:20歳までは自分のアイデンティティのことについて自覚がありませんでした。ニュージーランドへ留学をした時にとある人に「ろう文化知ってるか」と問われ、ろう文化についてその時知りました。実際のところ、私を含め小学・中学・高校とろう学校に通っていた時、部活や勉強に明け暮れて、「ろう文化」について勉強する機会がありません。今はろう塾や明晴学園。アイデンティティ・ろう文化当たり前にあったものを自覚する機会がありますが、そしてそれらを自覚する機会は昔は2つしかなかった。1つ目は先輩との関わり2つ目は野球(社会人野球)TやSNSが発達し手話がいつでもどこでも知ることができ、テレビ電話などで人に会うことができる。特に社会人野球は日本手話ができるろう者がたくさんおり、そこから学ぶことができた。しかし、若い世代が増え、団体を作ることが容易になってきたため、元々あった団体が衰退しロールモデルに触れる場が少なくなってきている。どれも人(ロールモデル)から影響されることが多い。そういった場が無くなれば日本手話がなくなってしまう。今ろう塾やろう通訳が出たことにより(日本手話がなくなる、残る)の分岐点になってると思う。
文化面が一番の鍵。

3 ろう青年たちに伝えたいこと、ろう者が持つべきであるアイデンティティについてどう広めていくか、政治界に求めることは?
江副:今先人のロールモデルであるろう者が(江副さんの場合は米内山さんや伊藤正雄さん)を自分自身で拡げていった。私自身も拡げて作った基盤を 若いろう者のみなさんが継承し、さらに拡げていってほしい。それがろう青年の役割。

(質疑応答の間、人との関わりの中で「敵を作らない」人に力を使わずろう文化に力を注ぐというお話しをされていました)

4ろう文化宣言があったことにより自身に影響がありましたか?
西脇:親がろう文化宣言の影響を受けたのでもしなければ親ももしかしたら口話にしていたかもしれないし私自身も自分のアイデンティティについて悩み苦しんだと思う。ろう文化があったから生まれてから今まで日本手話の環境に恵まれたと感じる。感謝している。
江副:中学高校生は全く意識していなかったが、NHKや他の団体と一緒に活動する時にわざわざろう文化について説明しなくても(ろう文化宣言について知っているため)やりとりがスムーズに行くことがあった。行動しやすくなったのは確か。

【参加者からの質問】

1一般社団法人の設立をしたと江副さんが生時代の時に聞いたが、設立した経緯を教えてほしい
江副:とある芸能人と繋がり、カンボジアの現地手話のろう者向けの職業訓練学校を支援する法人を設立したが、流れてしまった。
(法人や団体を色々立ち上げた立ち上げのコツはあるか)
江副:立ち上げることは簡単、LINEグループも人が集まれば作れる。0から1は簡単、基盤がないと1から2が難しい。 2で繰り返しチャレンジして、3の基盤ができる。また続けることは簡単、逆に辞めるのが難しい。ろうコミュニティにおいて団体や会社をたたむと噂が拡散されるのが早い。沢山の基盤となる歯車をいかにうまく動かしていくかが重要。

2若手の役割として基盤を「拡げていく」と江副さんが言っていたが拡げていく方法を教えてほしい
江副:例えば演技で言えば、シルクドソレイユのような、1ヶ月2ヶ月続けて何か舞台、演技の開催をしていきたい、また大都市での都道府県に1つ開催ではなく東京で言えば区市町村で1つの開催をしていきたい。途切れ途切れではなく、時間も場所も包括して続けていけば、多くの人に(ろう者が)演技をしている姿を見ることができ、盛り上がっていくのではないかと思う。これが私にとっての拡げ方。動かないことには始まらない。見て、知り、吸収することによって今できる引き出しが増えていくのかなと思う。

3 手話歌について、また手話指導をする聴者についてどう思うか
 見方は様々、私自身は手話の指導はしていない。基本講師は断っている。手話歌に関しては聴者の文化で作られた歌を文化の異なるろう者が表現することをどう捉えるかによる ポイントは2つ 1つ目は 聴者の歌詞をろう者がしっかり理解できているか手話を表現してろう者が見て違和感がないか考えなければならない 2つ目は(聴者とろう者の)リズムの心地よさが異なる事を前提として考えなければならない。その前提をしっかり把握すれば、聴者の歌から関わるろう者の手話歌がもっとよくなると思う。ろう者が気持ちいいリズムがあることを聴者にしっかり伝えることが大事。

4 20代が30代より上の代に合わない理由はなぜか
江副:会い方がわからないだけ。逆に若い聴者が40・50代の聴者に会いにいくかどうか?(会わない)。一番良い近道は講演。

5手話を勉強するときどうしたら日本手話を磨けるか
江副:日本手話はNHKではもちろんのこと SNSでも見る機会が増えてきてる。インプットだけではなくアウトプットが大事。失敗してもいいからとにかく表現する。ただ誤解してほしくないのは聴者はろう者の手話にはなれない、近づくことはできるが超えることはできない、逆に難聴者は(ろう者の日本手話を)超えることができる、と私は思います。

【最後に】

「経験は嘘をつかない
という江副さんの一言で終了。
あっというまの1時間半。司会と講師がお互い刺激を得ることができた
企画となりました。自分にできる経験を積んで、拡げていき、今の波に乗っていきましょう!
江副さん・西脇さんありがとうございました!

ゲスト

江副 悟史 氏

学生スタッフ

西脇 将伍 氏